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ケイ・オーのよもやま話~part11~

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皆さんこんにちは!
有限会社ケイ・オー工業の更新担当の中西です!

 

さて今回のよもやま話は

確認事項

ということで、左官工事における施工前の事前確認事項を10の視点から深く掘り下げて解説!

これを押さえることで、ムダな手直し・クレーム・工程の遅れを未然に防ぐことができます。

 

左官工事は、「下地づくり」と「仕上げ」の両面を担う重要な工種です。
しかし、その美観と品質を保つためには、実は施工前の準備=“事前確認”がすべてを左右すると言っても過言ではありません。


なぜ左官工事に「事前確認」が重要なのか?


左官は、仕上げの最終段階に位置する工種の一つ。
「最終だからこそ、全ての不備が表に出る」業種でもあります。

  • 下地の不陸(でこぼこ)

  • モルタルの乾燥ムラ

  • 他業種との工程干渉

  • 材料・仕上げの仕様違い

など、多くのトラブルが“準備不足”から生まれています。

左官工事の成功は、「事前の情報共有と確認」にかかっているのです。


左官工事の事前確認事項《10のチェックポイント》


① 仕上げ仕様・材料の確認

  • 仕上げ種別(モルタル・漆喰・ジョリパット・珪藻土など)

  • 模様・パターン・色番号・コテ押さえの種類(平滑・刷毛引きなど)

  • メーカー指定材料/配合比率の遵守

  • 塗厚、乾燥時間、施工回数の指示

設計図・仕上げ表・仕様書・サンプルとの照合が絶対条件です。


 ② 下地材の種類・状態確認

  • モルタル下地、ALCパネル、石膏ボード、ラス下地などの材質と施工精度

  • 不陸(でこぼこ)や欠損、ひび割れ、浮き、油分の有無

  • 接着不良が懸念される箇所へのプライマー処理指示

左官は「下地が9割」とも言われます。下地確認なしに美しい仕上げはあり得ません。


 ③ 防水・止水処理との取り合い確認

  • 外壁・水回り・バルコニーなど防水層との境界部の納まり

  • シーリング材の打設タイミング(先打ち or 後打ち)

  • 水切り、見切り材との重ね順・立ち上がり寸法の確認

「雨が入る左官」は構造的な欠陥につながります。防水との連携は重要です。


④ 他工種(設備・電気・建具)との納まり調整

  • 配管・コンセント・サッシなどの取り合い位置

  • スリーブやボックス周りの補修方法

  • 建具枠と左官の取り合い寸法、クリアランスの確認

左官の仕上げ厚を見込んでいないと、建具が納まらない/段差が出るなどの不具合が発生します。


⑤ 施工範囲・役物・入隅・出隅の確認

  • 出隅・入隅の角処理:メタルコーナー・コーナービートなどの使用有無

  • 見切り材・役物(アルミ見切り、樹脂ジョイント)の位置確認

  • 縦横の区切り方や目地の有無と位置

角の仕上がりは左官の“腕前”の見せどころでもあり、クレームになりやすい部分でもあります。


⑥ 天候と気温のチェック(特に外部施工)

  • 気温が5℃以下または35℃以上の場合の施工制限

  • 直射日光・強風・湿度などの施工影響の確認

  • 夏場の急乾燥/冬場の凍結対策(保湿養生、凍結防止剤使用)

天候によって仕上がり・ひび割れ・変色リスクが大きく変動します。慎重な判断が必要です。


 ⑦ 養生範囲と他業種の進行状況確認

  • サッシ、床、外構、設備器具などの養生範囲の明示と材質選定

  • クロス工事、塗装、建具、電気工事との工程調整

  • 乾燥時間中の他職方の立入り制限

 養生不足や工程干渉は仕上げ汚れ・欠損・再施工の大きな原因になります。


 ⑧ モルタル・材料の搬入・練り場の位置確認

  • セメント・砂・添加剤・仕上材の搬入ルートと保管場所

  • 練り場の確保、水源の有無、電源使用可否

  • 粉塵飛散・騒音への近隣配慮

作業環境の事前確認は、効率と安全と信頼を同時に守る基本です。


⑨ サンプル施工・立会確認の実施

  • 模様・色・パターンの実物サンプル施工を実施

  • 元請け・設計・施主による立会確認で承認を得る

  • 「思っていた色と違う」「模様がイメージと違う」といったトラブル回避に有効

サンプルの提出は左官工事における“品質の契約”とも言えます。


 ⑩ 安全管理・足場・作業動線の確認

  • 足場の設置状況(天端高さ、作業スペース、転落防止)

  • 外壁用足場の手摺・ネット・幅木の安全性

  • 材料運搬・作業動線の確保と危険予知(KY)

左官作業は高所や長時間作業も多いため、安全確認と事前指差呼称が欠かせません。


「仕上がりの美しさ」は「準備の確かさ」から生まれる


左官職人の技術力がいくら高くても、
下地が悪い、材料が間違っている、気象条件が合っていない──そんな状況では最高の仕上げは絶対にできません。

つまり、左官工事は「腕」だけでなく、「段取り」「確認」「情報共有」で決まるのです。

  • 設計図を読む

  • 他職方と調整する

  • 現場状況を先読みする

この積み重ねが、クレームゼロ・再施工ゼロの左官工事につながります。


左官工事は“確認力”で決まる

左官は「仕上げの華」と言われる一方、
その実態は「土台を読み、工程を見通し、人と連携する」職人の技術と段取りの結晶です。

材料の正確な理解
下地の徹底的な確認
他業種との協力体制

これらを確認し、記録し、共有してこそ、“美しく・丈夫で・長持ちする”左官仕上げが可能になるのです。

 

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