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ケイ・オーのよもやま話~part13~

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皆さんこんにちは!
有限会社ケイ・オー工業、更新担当の中西です!

 

 

 

左官工事と環境問題 〜自然素材と職人技が生み出す“エコな空間づくり”〜

 

 

 

今回は、古くから日本の建築に欠かせない「左官工事」と「環境問題」の関係についてお話しします。

一見、環境と左官工事は無関係のように思えるかもしれません。しかし実は、左官の仕事は昔から**“地球にやさしい建築”の代表格**。今こそその価値が見直されているんです!


◆1. 左官の原点は“自然素材の活用”

 

左官工事とは、壁や床、天井などにモルタルや漆喰、土壁、珪藻土などの塗り材を塗って仕上げる技術。その多くは、古来より自然由来の素材で構成されています。

例えば、

  • 漆喰 → 石灰石から作られる天然素材。CO₂を吸収して固まる特性あり。

  • 土壁 → 乾いた土、水、ワラなどを混ぜた伝統工法。通気性・調湿性に優れる。

  • 珪藻土 → 海藻の化石由来で、吸放湿性能が高く、断熱にも効果的。

これらの素材は有害物質を含まず、廃棄時にも環境負荷が極めて小さいため、今の時代にこそふさわしい“エコ建材”なんです。


◆2. 室内環境を整える“自然の力”

 

左官仕上げの壁には、単なるデザイン以上の機能があります。
それが、「調湿作用」「脱臭作用」「断熱性」。

例えば、漆喰や珪藻土は湿気を吸ったり吐いたりして、部屋の湿度を一定に保つことができます。さらにカビの発生を抑えたり、空気中の臭いを吸着する効果もあり、住宅の室内環境を清潔で快適に保つ力を持っています。

つまり、左官は“壁で空気を整える”技術でもあるのです。


◆3. 左官材料はリサイクルや再生利用が可能

 

左官に使われる土や石灰は、役目を終えたあとも自然に還りやすい素材です。
例えば、

  • 土壁を解体後、また練り直して使う

  • 漆喰壁の粉末を畑の肥料に使う

  • 廃材の少ない現場施工によるごみ削減

といった**「使い捨てない」素材文化**が、左官には根付いています。

大量生産・大量廃棄の時代を超え、循環型社会に適応する技術として、左官工事は再評価されています。


◆4. 現場環境にもやさしい

 

左官工事の現場では、機械音や騒音が少なく、ホコリも出にくいのが特徴です。
また、ほとんどの作業が水とコテと手仕事で行われるため、現場近隣に対する環境負荷(騒音・振動・粉じん)が少ないのも利点です。

さらに、左官職人は“現場を汚さず、清潔に保つ”という文化を重んじるため、周囲への配慮が自然と環境対策につながるという側面もあります。


◆5. 化学建材との対比で見える“本当のエコ”

 

近年、建築では合成樹脂やビニルクロスといった化学系建材が多く使われています。これらは施工が簡単で安価ですが、廃棄時に有害物質を出したり、経年劣化で室内に化学物質を放出する恐れがあります。

それに対して左官材は、

  • 長持ちする

  • 有害物質ゼロ

  • 自然に還る

という三拍子がそろっており、真に環境配慮型の素材と言えるでしょう。


◆まとめ:左官工事は“昔からエコ”だった

 

古くから伝わる左官工事は、最新のエコ建築に通じる知恵が詰まった技術です。
**「環境に配慮した建物をつくりたい」**と思ったら、まずは足元から。
その壁、漆喰や土壁にしてみませんか?

次回は、そんな左官工事が未来に向けてどう変化していくのかをご紹介します!

次回もお楽しみに!

お問い合わせはこちら

 

 

 

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